アリコも危ない?

アメリカにおけるリーマン・ブラザーズ証券の破綻に続き、保険最大手であるAIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)の経営危機が報じられる中、AIGグループで日本で営業する保険会社(アリコジャパンなど)への不安感が急速に高まっている。
 

アリコジャパンはアリコ(アメリカン・ライフ・インシュアランス・カンパニー)の日本支社として
1973年に日本人向け営業を開始した最古参の外資系生命保険会社である。
医療保険、がん保険といったいわゆる第三分野商品で地道に業績を伸ばし、バブル崩壊以降の日本社への不信感を追い風に急成長を遂げてきた。

アリコは持ち株会社AIGのグループ会社であり、AIG株も少なからず保有していると思われることから
AIG株の暴落や、万一破たんした場合の影響は当然あると考えるべきであるが、AIGの破綻=アリコジャパンの保険契約の不履行と直結させるのはいささか早計かも知れない。

AIGが破綻の憂き目を見た場合、売却可能な資産は譲渡されることとなるであろう。
その資産のひとつが保険事業でありアリコでもあるわけで、AIGが破たんした後のアリコが少しばかり社名を変えて従前どおり存続するというシナリオもあり得る話ではある。

もちろん現在検討、協議されているアメリカ金融当局と大手金融機関による救済策が発動すれば
当面の不安は払拭されることになるであろうが、いずれにせよアリコ契約者にとっての最悪の事態が訪れるにはまだ幾つもの分岐点があると考えられるゆえしばし成り行きを見守るしかないと言ったところ。
最後に、アリコジャパンは他の日本の生命保険会社同様『生命保険契約者保護機構』に加入しており
万一の場合も契約者は一定の保護が受けられることもお忘れなく。

アリコジャパン公式サイトは⇒http://www.alico.co.jp/

http://www.alicojapan.com/

FRBがリストラ促す 日本国内子会社売却も (毎日新聞)
 米連邦準備制度理事会(FRB)は16日、経営危機に陥っていた米保険大手AIGへの救済策を発表した声明で、「融資はAIGの資産売却で返済される」と、AIGに積極的なリストラを促した。AIGは日本でアリコジャパンなど生命保険3社とアメリカンホームなど損害保険2社を運営しており、こうしたグループ会社の売却を迫られる可能性がある。

 いずれも保険事業は順調なため、売却が決まれば、国内大手生損保や銀行などを含め、激しい争奪戦が繰り広げられるのは必至。国内生損保業界の大規模な再編につながるとみられる。ただ、アリコが保有するAIG株の価値が大幅に下落しており「本業はいいが、財務面での劣化が心配で簡単には飛びつけない」(大手生保)との見方もある。(引用元:毎日新聞)