天海祐希、ヤセ型なのに心筋梗塞のナゼ

 女優の天海祐希(45)が三谷幸喜作・演出の舞台「おのれナポレオン」(東京芸術劇場、12日まで)に出演中、軽い心筋梗塞の症状が出たため、舞台を降板した。心筋梗塞といえば、メタボなオヤジが予備軍と連想しがちだが、ヤセ型で現役バリバリの売れっ子女優を、なぜ病が襲ったのか。

(以下引用)
 所属事務所などによると、天海は6日昼公演の終了後に体調不良を訴え、都内の病院で軽度の心筋梗塞と判明。1週間から10日間の安静治療を要すると診断され入院したという。

 8日夜の公演と9日昼と夜の公演中止を発表。天海の降板を受け、10日から、宮沢りえ(40)が代役を務める。

 一般的に心筋梗塞といえば、メタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満)などで動脈硬化が進み、心臓の血管が詰まることが考えられる。スリムな天海のイメージとはかけ離れているが、専門医はどう見ているのか。

 日本大学医学部附属板橋病院循環器内科の平山篤志教授が説明する。

 「心臓の血管が詰まる原因はいろいろあります。心筋梗塞の約6割は、脂質によって血管内に生じたプラーク(蓄積物)が原因。これはメタボや動脈硬化に関係しています。一方、3割程度は、エロージョンと言って、血管内皮がはがれたところに血栓が生じます。その他にも、血管の内膜の解離、血管がけいれんする血管攣縮(れんしゅく)でも、心臓の血管の血流は止まることがあるのです」

 メタボではなくても、心筋梗塞は起こるのだ。

 エロージョンのリスクが高いのは、糖尿病患者や女性といわれる。天海がどのようなタイプの心筋梗塞かは分からないが、女性の場合は、コレステロール値が低すぎて、血管壁の脂質が少ないためにダメージを受けることもあると言う。

天海は、「舞台の続投を強く希望していた」(所属事務所)というが、「元気な姿をお見せすることを最優先に考え」(同)て降板を決断した。軽度の場合、どのような治療が行われるのか。

 「軽度か重度かは、基本的に血流が止まったことにより、心筋が受けたダメージの範囲によります。軽度の場合の治療は、血管が詰まった原因を取り除くため、血管内に細い管を入れるカテーテル治療や、薬だけと言うこともある。1週間から10日程度の入院は一般的です」(平山教授)

 気になるのは、その後の芸能活動だ。軽度とはいえ、ダメージを受けた心筋は元に戻すことはできないといわれている。

 「適切な治療を受ければ、退院後は、運動制限などもなく、日常生活を取り戻すことができます。ただし、一度心筋梗塞を起こした人は、そうでない人と比べて、4~5倍も再び心筋梗塞を起こしやすい。原因をしっかりと突き止めて、再発予防に努めることは必要です」と平山教授は警鐘を鳴らす。

 天海はレアなケースのようだが、中年男性の場合は、「高血圧、高脂血症、喫煙」が心筋梗塞の三大危険因子であることは変わりない。メタボ撲滅が予防の要だ。
(引用元:zakzak)